【発達障害】子どもも大人も、特性を逆手にとって日常に活かす(伝え方)

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発達障害(自閉症スペクトラムASD)の子育てと企業に常駐してジョブコーチ、サポーターとして大人の発達障害や精神疾患をお持ちの方がたへの支援経験をもつ心理カウンセラー立川洋子です。
 
 
どの家庭でも、子どもに対してこんなことを思う場面があるのではないでしょうか?
 
 
「どうして伝わらないんだろう?」
「何度言ったら分かるんだろう?」
「この前はできていたのに、なんで今日はできないの?」
 
 
 
我が家も例外ではなく、自閉症スペクトラムASDの特性を持つ息子が小学生だったころ、毎日のように同じことを言ってるのに、なぜかできない・・・ということがありました。
例えば息子の場合、筆箱を持って帰ってくることがどうしても出来ませんでした。
 
 
 
ノートや教科書や鉛筆は持って帰ってくるのに、筆箱だけ持って帰ってこれない息子を、私はかなりイライラしました。
 
 
 
も~うイヤ!
 
 
 
怒っても、全く意味がないことは頭で分かってるけど、どうしようもなかったのです。
 
 
 
私は繰り返し言い続けました。
「筆箱も持って帰ってくるんだよ!」
 
「うん!わかった~!」
 
 
 
ある日、息子がようやく筆箱を持って帰ってきた日が来ました。
 
 
 
「マミー、今日はちゃんと筆箱持って帰ってきたよ!」
 
「おー!すごい!マミーが言ったこと覚えていてくれたんだね。ありがとう!」
 
 
 
ランドセルには筆箱がありました!
そして、鉛筆を取り出そうと筆箱を開けたら・・・
 
 
 
な、なんと!
 
 
 
中身、空っぽ!
 
 
 
「鉛筆はどうしたのかな?」
 
「お道具箱の中だよ~(^^)」
 
「(絶句)お、お道具箱の中ってどういうこと?」
 
「だって、その方が使いやすいから。」
 
「・・・」
 
「ねぇ~ちゃんと筆箱持って帰って来れたでしょ!」息子は得意気でした・・・
 
 
 
発達障害、自閉症スペクトラムの特性として「言葉を字義通りに捉える」特性があり、その表れです。
私はこの時ほどこの特性を痛感した瞬間はありません。
 
 
 
だって、息子は私に言われた通りにちゃんと筆箱を持って帰ってきたし、私は確かに中身の鉛筆のことは言わなかったのですから・・・
 
 
 
本音を言うと私はガッカリでしたが、息子は言われた通りに出来て得意気。そんな姿を見て私はほんわかしました。すごーく素直な子だって・・・
 
 
 
その素直さと特性を活用しない手はない!
 
本人が字義通りにとったときに
その行動ができるような
表現で伝えればいい!
 
今回のケース言えば
「筆箱の中に、鉛筆と消しゴムを入れて持って帰ってきてね」
 
 
 
実際にそう伝えてからは持って帰ってくることができ、中学生の今も続いています。
 
 
 
実は、同じようなことは大人の発達障害の方にも見られます。
大人の発達障害に関する本にもよく例として書かれていますが、子どもが危険なことをしないようにという意味で妻が発達障害の特性を持つ夫に「子どもを見ててね」と言うと、子どもが危ないことをしそうになっても、夫は子どもをただジッと見ているだけで、止めも、危険回避もしないというものです。
 
 
 
そこまで細かく言わないとダメなのか?!
 
 
 
そう思って当然です!
でも、細かく話すことって、実は日本語教育とそっくりなんです。元日本語教師をしていた私の経験から断言しますが、日本人であれば少しの意識で出来るようになります。
 
 
 
だから、発達障害特性を持つ人とのコミュニケーションに困っている場合、言葉がけや障害特性と身構えなくても、普段の日本語をちょっとだけ意識的にするだけで「伝わる」ということが実感できます。
 
 
 
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